長老ニュース

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2010年5月号【No.42】

家の調湿は省エネ・エコに

 私達、人のカラダの表面温度(手の平や顔面など)は、約32℃くらいを示しています。医学的に健康な人の体温は、平均36.5℃なのだそうです。ところが手の平や顔面など、人の身体が空気に触れている部分の温度は、この体温の平熱より約4℃程度低い値を示すものです。非接触温度計と言う赤外線を当てて壁面や床面、天井面、または機械の回転部などの温度を測定する温度計で測定する事が出来ます。
私達、人の身体は70%もの部分が水分で構成されており、身体が空気に触れている部分から、水分が蒸発して発生する気化熱(蒸発潜熱)で体温を奪われ、体温が4℃くらい低くなり32℃くらいになるという現象です。
現在、自分の居る場所が例え36℃であっても湿度30%程度なら、表面温度が34℃くらいになります。身体の体温36℃で気温も同じ36℃であり、それで100%の湿度の中にいると表面温度も体温と一緒になるでしょう。
つまり、冬の寒い時期は、室内の湿度を出来るだけ高くしておけば人の身体から水蒸気が揮発し難くなり、体温が奪われにくいと言う事になります。その分だけ暖房熱を節約できて暖房省エネになります。逆に湿度の高くなる夏場には、室内の湿気を低くしておく事により、人体から湿気が蒸発して体温を奪い、冷房の負荷熱量を小さくする事が出来ます。

 

家の調湿作用と省エネ効果

家の中の湿度を機械的に一定キープさせるため、冬場の乾燥時には加湿器、夏場の多湿期には除湿機をという装置を利用します。
ところが機械を稼働させるエネルギーを相殺すると、必ずしも省エネ効果が出ないのです。通常の家の加湿器は、不快な静電気防止と、そこから派生するハウスダストなどの抑制が目的です。除湿機は、結露やカビ、そこから派生する雑菌抑制が目的と言えるでしょう。いずれも省エネの観点から使用している装置ではありません。
ファースの家は、普段、乾燥剤として用いているシリカゲルを、湿気の吸着と排出を繰り返すように処方した「スカットール」と言う専用剤を大量(平均200kg<160リッターの水分を保有出来る量)に敷設致しております。
家中の空気を循環させて、このスカットールに接触させ生活撥水量を吸着させます。抱えた湿気は、室内が乾燥した際、排出する事で家屋内の湿度を一定にキープ出来るようになっています。
この作用を保持するには、外部の乾燥空気や多湿空気までもを遮断出来るよう、極めて高い気密層を構築しなくてはなりません。
当然のごとく燃焼ガスを発生させて換気量を多くする事は、湿度管理が出来なくなります。ファースの家が日本で初めてオール電化専用工法になったのは、この調湿機能を保持する事が目的でした。
私達の長年の実験や研究のデータ分析、住んでいるファースの家のユーザーさんへの取材では、小さく見ても夏場の多湿期で平均10%低い湿度、冬場の乾燥期に10%高い湿度をキープ出来ている事が確認出来ています。
この作用には、電気などの動力を使用せずにスカットールの吸排出作用だけで調湿が出来、省エネ・エコ効果に大きく貢献しています。
木材、珪藻土、炭や活性炭など、多孔質な素材も調湿効果を持っています。しかし自然素材では、100リッターを超える水分を吸排出させ、省エネ・エコ効果を図るには及びません。省エネ調湿は、スカットールのように特別な処方とそれを合理的に機能発揮できる家の性能が不可欠です。

「筆者 福地脩悦」

 

ファースの家川柳のコーナー

 

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